「……琥珀って、こういうとこは意外と話が分かるんだね」
私が言うと、琥珀はドアノブに手をかけたまま、振り返って小悪魔的に微笑んだ。
「そう?ただ合理的なだけだよ。それに胡桃こそ、黙って誰かに守られてるだけでは終わらないところが、相変わらず胡桃らしいよね」
一歩も引かない私の性格を見抜かれているようで、少しだけ気恥ずかしくなる。
琥珀はそのまま部屋を出ようとて、ドアを開けたところで、ふと何かに気付いたように動きを止めた。
「あ、さっきこの部屋で、俺のパソコン触ってたでしょ」
っ……バレてる。
心臓がドキンと跳ね上がった。
「まあいいけどさ。でも、変なことしたらダメだからね?」
琥珀はいつものように顔をくしゃっとさせて笑って、そのまま廊下へ消えていった。
ドアが閉まったあと、私はベッドの端にゆっくりと腰を下ろす。
深く息を吐き出しながら、白くて無機質な天井を見上げた。
…よし。まずは、叶兎くんに電話しなきゃ。
私はポケットからスマホを取り出すと、部屋の外に出る。
電波が立っていることを確認し、深く息を吸い込んでから叶兎くんの連絡先をタップした。
長いコール音が鳴り…プチッと通話が繋がった。


