……まぁ、考えても仕方がないか。
ひとまず私はデスクの上に残された夕食のトレーに視線を落とした。
……衣食住は保証するって、言ってたもんな。
静まり返った部屋で、一人きりで黙々と食事を進める。
考えてみれば、叶兎くんと暮らすようになってからは毎日のご飯はいつも一緒だった。
どちらからともなく今日あったことを話したり、くだらないことで笑い合ったり。
そんな当たり前だった日常が、急に遠い過去のことのように思えて胸がキュッと切なくなる。
叶兎くん、今頃どうしてるかな……。
寂しさを振り払うようにして食事を終えると、私は空になったトレーをデスクの隅へと寄せた。
ベッドにパタンと横たわり、天井の模様をじっと見つめる。
「うーん……やっぱり、ここに閉じ込められるのは流石に困るなぁ」
時計に目をやると、気づけばもう夜の22時を過ぎていた。
しばらく目を瞑って脳を回転させて、ふと突然脳裏にひらめいたアイデアに、私は勢いよくベッドから跳ね起きる。
……いっそこの状況、ただ守られてるだけじゃなくて、逆に利用してみる?
それからさらに待つこと1時間ほど。
時計の針が深夜0時をきっかり回った頃、静まり返った廊下からこちらに近付いてくる足音が聞こえた。
カチャリ、と鍵が解錠される音がして、ゆっくりとドアが開く。


