総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




聞きたい。

ずっと知りたかった。


あの雨の日に、父さんと母さんに本当は何が起きたのか、その真相を。



「……わかった。入口の警備員には話を通しておく」



そして驚いたことに、隣の叶兎が静かに許可を出した。



「……え、叶兎、いいの?」

「話の内容次第だからね。俺も同席するけどいい?」

「……まぁ、うん。そうしてくれた方がありがたいかも」



俺は小さく息を吐きながら呟いた。

正直に言えば、一人でその話を聞くのは、怖かった。


蓋を開けた時、一体どんな真実が飛び出してくるか分からない。

隣に叶兎がいてくれた方が、まだ理性を保っていられる気がした。



『おっけー、じゃあ一時間後くらいに行くね。よろしく』



プツッ、と通話が切れる。

資料室に、叶兎が端末をデスクに置く、コン、という静かな音だけが響いた。



「……天音。」



叶兎が、静かにこちらを見つめてきた。



「……大丈夫?」

「……大丈夫に見える?」



さっきとはまるで立場が逆。

いつものように軽口で返したつもりだったけど、自分でも自覚できるくらい、動揺して動悸が止まらない。