「じゃ…お先。胡桃も、元気で。」
ぶっきらぼうな言い方だけど、
それが九条くんらしいなと思った。
「胡桃ちゃん。」
…それと、最近気づいたことがある。
「どうしたの?天音くん」
天音くんが真剣な目をしている時は
──私をあだ名で呼ばない。
「あの時の言葉、嘘じゃないから。何かあったらいつでも連絡してね?」
“ でも、もしさ。叶兎の隣が苦しくなったら──俺のところにおいでよ”
…やっぱり、天音くんは変わらないな。
そう言って、いつもみたいに笑った。
「…ありがと。天音くんも、困ったことがあったら頼っていいからね」
相変わらずいつも通りの天音くんは、最後まで優しかった。
天音くんを見送ったあと、置いた段ボールを持ち上げて、抱え直そうとした、その時。
「重くない?」
背後から伸びてきた声に、思わず肩が跳ねる。

