「っ、ハンターのこと、信頼してもいいって思って、ここに来たのに……!」
悔しさと裏切られたショックで、涙が出そうになりながら叫んだ。
その一言が、鋭い刃となって琥珀の表情を完璧に凍りつかせる。
ほんの刹那の間、琥珀は痛いところを突かれたようにきつく唇を噛み締め、私から気まずそうに目を逸らした。
「……、」
数秒の、息が詰まるような静寂。
それから、琥珀は自嘲気味にふっと長い睫毛を伏せた。
「……ずるいなぁ、胡桃は」
小さく、掠れた声で笑う。
けれどその笑みには、いつもの軽薄さなんて欠片も残っていない。
「……俺一人の判断でどうこうできる問題じゃないしさ。別に君に危害を加える訳じゃないんだし、むしろ守ろうとしてるだけなんだよ?胡桃にとってもメリットなのに」
……そ、そういう問題じゃない……!!
琥珀はゆっくりと私の方へ歩いてくる。
──『信頼してもいいって思って来た』
自分で口にしておいて、その言葉の重みが遅れて私の胸に深く突き刺さった。
私は確かにそう思ってここに来たのだ。
幹部会議の場で、琥珀に「情報が共有できるから」と促されたとき、一ミリも疑わなかった。
ハンターを──というよりは、琥珀を信じていたから。


