するとテーブルの中央に座っていたがっしりとした体格の壮年の男性──いかにも修羅場をくぐり抜けてきたという風貌の幹部の男が、怪訝そうに私と橘さんを交互に見やった。
「橘、知り合いなのか」
「前の合同訓練で一緒に訓練したことあって」
橘さんが肩をすくめて答えると、その男は今度は品定めをするような鋭い視線を私へと移した。
「……楪。この人間の嬢ちゃんが、例の『無効化』持ちか?」
「そ。俺も実際にこの目で見てるし、信頼性は俺が保証するよ」
琥珀がポケットに手を突っ込んだまま、迷いのない声でそう告げる。
幹部の男の眼光の鋭さに、背中に冷や汗が流れる。
「こちらとしても、朝宮さんの力は欲しい。基本的には情報共有がメイン。けど、対処に手こずるような相手の時は君の力を借りたい」
私を一人の『戦力』として見なしている、利用価値があるからこそ、この場に呼ばれたのだ。
私は拳を握りしめ、喉の渇きを堪えながら答えた。
「……はい」
「……ただ、ひとつ聞いておきたい」
男がそこで言葉を区切った瞬間、室内の空気がガラリと変わった。
「あの炎上してる動画、あれはどういうことなんだ」


