総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





「ここだよ」



琥珀に促されて入った会議室は、私の予想に反してこぢんまりとした小さめの部屋だった。

部屋の中央に置かれた長いテーブル。


その向こう側には、五人ほどの人物がすでに席に着いていた。

おそらく、ハンターの幹部クラスの人たちだろう。


年齢は若い人から年配の人までバラバラだったけど、全員から放たれる威圧感と、獲物を射抜くような目つきの鋭さは共通していた。


緊張で呼吸が浅くなりかけたその時、テーブルの端に座っていた一人の青年が、驚いたように目を見開く。



「あれ、朝宮さんほんとに来たんだ」

「え……っ、橘さん!?」



橘理央さん──以前行われた合同訓練の時に敵チームとして戦って…あの時私に銃の撃ち方を教えてくれたのもこの人だった。



「久しぶり」



いたって普通にこちらに手を振ってきたから、思わず私も手を振り返したけど、……まさかハンターの幹部だったなんて。


橘さんは椅子に座ったまま、私の緊張をほぐすように、にっと笑ってみせた。