総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





「違います。あの動画は、悪意を持って編集されたフェイクの映像です!」



私は一歩前に踏み出し、集まったハンターたちを真っ直ぐに見据えてはっきりと言い切った。



「叶兎くんは何も悪くありません」



私の声が響き渡った瞬間、ハンターたちの間に張り詰めたざわめきが走った。

お互いに顔を見合わせ、信じられないといった様子で眉をひそめている。



「……編集?でもあの映像、かなりリアルだったじゃないか」



少し後ろにいた別のハンターが、納得がいかないというように口を挟んできた。



「それは……」



一瞬にして言葉に詰まる。胸の奥がキュッと苦しくなった。


……当然だ。

いくら都合よく切り貼りされて編集されているとはいえ、叶兎くんに首筋を噛まれて血を吸われたというあの衝撃的な映像自体は、まぎれもない『事実』なのだから。


だけどあの男の研究所に叶兎くんが監禁されて、謎の合成血を無理やり投与されて暴走させられたなんて、この場でハンターたちにペラペラと話せるわけがない。


それに、さっき朔の能力で判明した『卯月要』という男の件だってまだ名前が分かっただけで情報が少なすぎる。

ここで下手に口を滑らせれば、さらなる誤解や本部の混乱を招くことになるのは目に見えていた。


嘘はついていないのに……これ以上、何も言えない……っ


ぎゅっと拳を握りしめる。