「天音くんはたしか、本部の方に来るんだよね」
「うん。見習いだけどね〜。」
不安と覚悟が入り混じった声。
でも、その瞳は前を向いている。
天音くんは本部直属の、特殊警備隊というところで見習い警備士として働くことになっている。
…人間の世界の言葉で言えば、対吸血鬼専門の警察みたいな職業。
主に、能力や吸血衝動を抑えられなくなった吸血鬼を取り締まる為の組織ってとこかな。
天音くんとも色々あったけど……
あの時、諦めなくて良かった。
「まさか秋斗も飛び級で俺と同じとこ来るのは予想外すぎたけど」
そう言いながら天音くんがちら、と振り返ると、
そこには九条くんの姿が。
「この調子で、お前より先に昇格してやるからな」
「は〜?俺が先だから」
いつも通りの2人。
前はお互いの立場があったからか常にピリピリしているイメージだったけど、あの一件があってからは良きライバルになっている。
天音くんが今言っていたみたいに、2年生のはずの九条くんは飛び級で卒業した。
吸血鬼は元々頭脳も優れているのはあるけど、流石にみんな驚いてたな。
で、九条くんも天音くんと同じ部署に行くんだとか。
なんだかんだ、仲良しそうでよかった。

