総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「俺がいるのに、銃なんか必要ないでしょ。俺がそばに入れない時は神代さんが護衛をしてくれるし、胡桃が戦う必要なんて──」

「……また、神代さん…」



つい、口から溢れてしまった。

ハッとして口を押さえる。



「……何?」

「……私だって、隣に立ちたい…」



叶兎くんの眉がわずかに寄る。



「俺の隣は胡桃だけど…?」



“だから何を心配してるんだ”、とでも言いたげな顔。



「そういうことじゃ、なくて……っ」



…噛み合わない。

根本的に、二人が見ている景色がずれていた。


叶兎くんは「今のまま守られていろ」と言い、私は「同じ場所で戦いたい」と願っている。

叶兎くんは少しだけ声を落とし、でも一歩も譲る気配を見せずに告げた。



「胡桃。俺は胡桃のことを守りたいんだよ。……だから俺を頼ってくれればいいのに、なんでわざわざ危ない方に行こうとするの?」

「だって、守ってもらうだけは嫌で……」