振り返ると、入口に叶兎くんが立っていた。
腕を組んだまま射撃スペースに入ってくる叶兎くんの視線は、私ではなく、私の隣にいる橘さんを鋭く射抜いている。
「何してんの」
ハンターに向ける、冷え切った声。
橘さんは動じずに平然と答える。
「見ればわかるだろ。銃の基本操作を教えてるだけだけど。」
叶兎くんはさらに一歩、圧をかけるように近づいた。
「…勝手に胡桃に変なもの吹き込まないでくれない?そんなもの、必要ない」
……!
必要ないっ、て。
叶兎くんは私から銃を取り上げようと、強引に手を伸ばしてくる。
「胡桃、行こ──」
「……っ、叶兎くん」
思わず止めようと名前を呼んだけど、その先が続かない。
数秒の重苦しい沈黙の後、叶兎くんが私を真っ直ぐに見据えた。
「……あのさ。ハンターは信用できないって前に言ったよね。なんで銃なんか持ってるの。しかもこいつらと仲良く」
「こいつら」——琥珀と橘さんを顎で示す叶兎くんは苛立ちが隠しきれていない。
…確かに、ハンターは信用できないのかもしれないけど…。
それに、橘さんはただ私の身を案じて提案してくれただけだ。


