総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




──橘さんだ。

彼の構えた銃口が、天音くんを正確に射抜いていた。


今は麗音が共通の敵になっていたけど、これはあくまで訓練。


AチームとBチームは、最初から最後まで「敵」なのだ。

パシュッ、と天音くんの服に赤い色がべったりと付く。



「あっちゃー。」



天音くんは苦笑いしながら、私をそっと床に降ろした。

脱落。あと少しで宝に届くというところで。



「……あとは任せたよ、胡桃っち!」



天音くんが笑った直後、今度は私に銃口が向けられた。



「朝宮さんも、ここで脱落してもらう」



橘さんの指が引き金にかかる。


……っ、やばい!


弾丸が放たれる、その刹那。

横から一つの影が、私の視界を塞ぐように割り込んだ。



「………!」

「胡桃、走れ!」



叶兎くんが私を庇うように立ち、背中でその色弾をまともに受け止めた。

……と、同時に。



「…っ、琥珀、」



私の目の前で、琥珀が橘さんの背後から鋭い一発を放った。

一気に戦況が動いていく。