「胡桃っち!」
「……天音くん?!」
天音くんは肩で息をしながら私を見つめ、それから吹雪の中心を見据えて不敵に笑った。
「……あのさ、ちょっと思いついたことがあるんだけど。」
「思いついたこと?」
「行くよ!」
「えっ、ちょ──…!?」
次の瞬間、ふわっと体が浮き上がった。
天音くんに横抱きに抱えられ、私は驚きで声を失う。
そして、天音くんは私を抱きかかえたまま、猛然と吹雪の中へ突っ込んだ。
え、え、え……!?
風を切る音が耳元で鳴る。
そしてすぐに気づいた。
天音くん自身も、私とぴったり密着していることで「無効化」の恩恵を受け、冷気を弾きながら全速力で走っていることに。
「お、いける!快適じゃん!」
目の前では叶兎くんはと神代さんが麗音を追い詰めていた。
どんどん吹雪の効力も薄れてきているし、宝はもうすぐそこ──。
その時、横から乾いた音が響いた。
「…行かせない」


