総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「胡桃っち!」

「……天音くん?!」



天音くんは肩で息をしながら私を見つめ、それから吹雪の中心を見据えて不敵に笑った。



「……あのさ、ちょっと思いついたことがあるんだけど。」

「思いついたこと?」

「行くよ!」

「えっ、ちょ──…!?」



次の瞬間、ふわっと体が浮き上がった。

天音くんに横抱きに抱えられ、私は驚きで声を失う。


そして、天音くんは私を抱きかかえたまま、猛然と吹雪の中へ突っ込んだ。


え、え、え……!?


風を切る音が耳元で鳴る。

そしてすぐに気づいた。

天音くん自身も、私とぴったり密着していることで「無効化」の恩恵を受け、冷気を弾きながら全速力で走っていることに。



「お、いける!快適じゃん!」



目の前では叶兎くんはと神代さんが麗音を追い詰めていた。

どんどん吹雪の効力も薄れてきているし、宝はもうすぐそこ──。



その時、横から乾いた音が響いた。



「…行かせない」