──卒業。
それぞれが、それぞれの場所へ進んでいく。
今日が学園にいる最後の日だ。
学園卒業のタイミングで、White Lillyの幹部も一時的に空席になる事になった。
叶兎くんが後継者に決まってからは一時的に流風くんに総長の座を引き継いでいたみたいだけど、このタイミングで正式に流風くんにバトンタッチしたんだとか。
White Lillyには、町や学生たちの治安維持を目的に、身近に頼れる存在としてこれからも街を守ってもらうらしい。
そして、叶兎くんが生徒会長になってからは街も学園もそれなりに治安が良くなっていたことで、生徒会メンバー卒業のこのタイミングを機に白星学園の生徒会制度も見直された。
今では人間からの選考も始まっていて、とても良い傾向だと思う。
ちなみに、春流くんと桐葉くんは、それぞれ名門大学に進学することになったらしい。
同じキャンパスだけど学部は別で、春流くんは看護学部で、桐葉くんは教育学部。
「でもさ、寮生活が終わるだけで、会えなくなるわけじゃないよ!」
春流くんが笑って言うと、桐葉くんも大きく頷いた。
「だな。俺らもたまにはそっちに顔出すから。…胡桃も、これから大変だと思うけど、頑張れよ」
「うん…ありがとう!2人も頑張ってね」
じゃあね、と2人とも手を振って寮の扉から出ていくのを見送ると、
今度は天音くんが部屋から出てきた。
「あ、胡桃っち」
最初から最後までその変な呼び方は変わらないな。
なんだかおかしくて、思わずふっと笑みが溢れる。

