総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




第一関門突破。

その時、耳に装着した通信機からノイズ混じりの音声が飛び込んできた。


《Aチーム、現在暫定一位。Bチームは二位です。》


…にしてもすごい。琥珀、人間なのに叶兎くんたちのスピードに完璧についていってる……。


吸血鬼の身体能力は、人間の比ではない。

それなのに琥珀は銃を構えたまま、的確にトラップを避け、角ごとに完璧なクリアリングをこなしている。

私なんて、必死についていくのが精一杯だというのに。



「……前方、三差路。左から音。」



偵察から戻った天音くんが小声で告げる。



「左はCチームが潰し合ってる。通れるけど時間かかるかな」

「真ん中に行こう」



叶兎くんの短い判断。

駆け出した瞬間、また通信。



《C、Eチーム全滅。Dチーム残り一名。──残存チーム、A・B・Dの三つです。》



あまりの速さに背筋が凍る。私たちは他チームをほぼ無傷で抜き去っているということだ。



「後ろ。来るよ。」



琥珀の鋭い声に振り返ると、背後から規則正しい無駄のない足音が迫っていた。


──Bチームだ。


右側の通路から、神代さんが弾かれたように飛び出してきた。

正面からは九条くん。左の死角からは蓮水さんが回り込もうとする、完璧な挟撃。