第一関門突破。
その時、耳に装着した通信機からノイズ混じりの音声が飛び込んできた。
《Aチーム、現在暫定一位。Bチームは二位です。》
…にしてもすごい。琥珀、人間なのに叶兎くんたちのスピードに完璧についていってる……。
吸血鬼の身体能力は、人間の比ではない。
それなのに琥珀は銃を構えたまま、的確にトラップを避け、角ごとに完璧なクリアリングをこなしている。
私なんて、必死についていくのが精一杯だというのに。
「……前方、三差路。左から音。」
偵察から戻った天音くんが小声で告げる。
「左はCチームが潰し合ってる。通れるけど時間かかるかな」
「真ん中に行こう」
叶兎くんの短い判断。
駆け出した瞬間、また通信。
《C、Eチーム全滅。Dチーム残り一名。──残存チーム、A・B・Dの三つです。》
あまりの速さに背筋が凍る。私たちは他チームをほぼ無傷で抜き去っているということだ。
「後ろ。来るよ。」
琥珀の鋭い声に振り返ると、背後から規則正しい無駄のない足音が迫っていた。
──Bチームだ。
右側の通路から、神代さんが弾かれたように飛び出してきた。
正面からは九条くん。左の死角からは蓮水さんが回り込もうとする、完璧な挟撃。


