総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





「大学の図書館で知り合ったんだよね〜。熱心に調べ物してたから、協力してあげたんだ。ね?」



……私が襲われたことは、言わないんだ。


それは優しさなのか、それとも何か別の意図があるのか。

真意は読めない。

けど私は、彼の言葉に乗ることにした。



「そうなの。琥珀は、教授のことも紹介してくれて……すごく助かったんだよ」



琥珀が吸血鬼に対して容赦がないのは事実。

でも、それだけで彼を「悪い人」だと決めつけることはできなかった。



「……へえ。……まあいいけど。ハンターと仲良しってのは、あんま外で言わない方がいいぞ。面倒なことになる」



その時、拡声器から特殊警備隊への招集がかかった。

「あーあ、行かなきゃ」と天音くんが肩を落とし、三人は渋々と列の方へ向かっていく。


その場に残されたのは、私と琥珀の二人だけ。

三人の背中が遠ざかるのを見届けてから、琥珀がぽつりと言った。



「……あのさ、胡桃」

「ん?」

「さっきの吸血鬼──栗栖天音、だっけ。あいつ、君のこと相当気に入ってるよね」

「……そう、かな」