「大学の図書館で知り合ったんだよね〜。熱心に調べ物してたから、協力してあげたんだ。ね?」
……私が襲われたことは、言わないんだ。
それは優しさなのか、それとも何か別の意図があるのか。
真意は読めない。
けど私は、彼の言葉に乗ることにした。
「そうなの。琥珀は、教授のことも紹介してくれて……すごく助かったんだよ」
琥珀が吸血鬼に対して容赦がないのは事実。
でも、それだけで彼を「悪い人」だと決めつけることはできなかった。
「……へえ。……まあいいけど。ハンターと仲良しってのは、あんま外で言わない方がいいぞ。面倒なことになる」
その時、拡声器から特殊警備隊への招集がかかった。
「あーあ、行かなきゃ」と天音くんが肩を落とし、三人は渋々と列の方へ向かっていく。
その場に残されたのは、私と琥珀の二人だけ。
三人の背中が遠ざかるのを見届けてから、琥珀がぽつりと言った。
「……あのさ、胡桃」
「ん?」
「さっきの吸血鬼──栗栖天音、だっけ。あいつ、君のこと相当気に入ってるよね」
「……そう、かな」


