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ここ数日の間にも、街では時折、吸血鬼たちの能力暴走事件が起きていた。
私も自分の力を使いすぎないよう細心の注意を払いながら、叶兎くんたちと一緒に現場へ向かう日々。
でも、特殊警備隊と──何より神代さんがそばにいれば私の力に頼り切らなくても事態を収束できることが多くて。
最近は以前のように「力の使いすぎで倒れる」なんていう心配も少なくなっていた。
──そして、特殊警備隊ヴァンパイアハンターの合同訓練当日。
特殊警備隊とヴァンパイアハンター。本来なら交わるはずのない二つの組織が同じ敷地に立っている。
それだけで異様な光景だった。
会場となる建物のすぐそば、少し開けた屋根の下で見慣れた金髪が揺れるのが見えた。
フェンスに背を預け、退屈そうに空を眺めていた天音くんがこちらに気づいてひらひらと手を振る。
「おー、来たじゃん。」
「……訓練だっつってんのに、あいつ緊張感ゼロだな。」
「いつものことだろ」
その隣には蓮水さんと九条くんも。
「にしても、まさか胡桃っちも参加するとは思わなかった」
「……私も、少しでもみんなの役に立てるようになりたくて。」
私の拙い決意を聞いて、天音くんはふっと目を細めた。
その瞳は柔らかくて。


