「……こわ。」
「……だから、あの人は苦手なんだよ……」
俺と秋斗がこっそり悪態をつくと、永季が苦笑しながら俺たちの肩を叩いた。
「 お前ら今の聞こえてるぞ。」
神代さんは振り返ることなく、規則正しい足音を立てて去っていった。
「……はー、相変わらず隙ないね、あの人。」
俺はソファに深く沈み込み、大きく伸びをする。
「…あの人がいなくなるなら気が楽になる」
「それ本人の前で絶対言うなよ。」
「言わねぇよ。」
2人を横目に俺は飲みかけのジュースを一気に飲み干して、空き缶を弄ぶ。
「でも胡桃っちの護衛かぁ。」
「……特警がそこまでしてくるんだな」
「とは言え、よく考えればそりゃそうでしょ。能力暴走止められる唯一の人間だよ?」
永季が険しい表情で付け加える。
「……それだけじゃねぇだろ。」
「ん?」
「…恐らく、ハンターも胡桃に目をつけてる。」
……あー、そういうこと。
「……だから神代さんなんだ。」
「だろうな。戦闘力も索敵能力も申し分ない。合理的な人選だ。」
「同感。」
「……だから俺らも気ぃ抜くなって話だ。」
合同訓練……ハンター。
どうやら、ただの親睦会で終わりそうにない予感が、俺の頭をかすめていた。


