総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




引っ張られて、バランスを崩した私の上に覆いかぶさる叶兎くん。

あ、と思う間もなく唇が重なった。



「ん、む……っ!?」



不意打ちすぎて目を白黒させた。

すぐに唇が離れると、私は口を尖らせて彼を睨んだ。



「……待ったけど」

「待ってない!!」

「3秒待った」

「それは待ってるって言わないっ...!」



必死の抗議も、上から余裕の笑みで見下ろされると、まったく迫力がなくなってしまう。

叶兎くんは満足そうに口角を上げた。



「……もう一回する?」

「しません!!」

「えー、即答。」



わざとらしく傷ついた顔をしてみせる叶兎くん。絶対嘘だ。



「だ、だって叶兎くんぜったい止まらないから……!」

「よく知ってんじゃん」

「そういうとこ!!」



なんだか、こんなやり取りをずっと前にもした気がする。

おかしくて、愛おしくて、私たちはどちらからともなく吹き出した。


窓の外では、新しい一日の始まりを告げるように、小鳥のさえずりが響いている。


昨日の恐怖も、夜の熱も、すべてを包み込んで。

私たちの新しい一日が、今日も静かに幕を開けた。