「こっち向いてよ」
「……む、むり……!」
そんな私の抵抗なんてお構いなしに、叶兎くんは優しく私の髪を耳にかけた。
さらけ出された耳が、赤く染まっているのが自分でもわかってしまう。
「なんで?」
可笑しそうに、覗き込むように。
「……………恥ずかしい、から」
私の答えを聞くと叶兎くんはふっと笑い、指先で頬をつつ、となぞられる。
「……かわい」
直球すぎる言葉に、息が止まる。
朝からそんな蕩けたような顔で言わないでほしい。
そのまま、おでこに柔らかいキスを落とされる。
「……誕生日、最高だった」
もう、限界。
私はシーツにばふっと顔を埋めた。
きっと耳まで真っ赤なのは隠せていない。
むしろ、恥ずかしさで心臓の音が外まで漏れていそうで。
「なに隠れてんの」
「……ちょっと待って。タイム。ちょっと待って、ください…」
そう懇願しても叶兎くんは待つ気なんてさらさらないようで。
悪戯っぽく笑いながら、枕ごと私を自分の方へと引き寄せた。


