総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ


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──朝。


カーテン越しの柔らかな光が瞼を叩き、私は目を覚ました。

全身を包み込む、確かな温もり。


背中からすっぽりと抱き込まれている。

腰に回された腕は昨夜から一度も離れていないのだろう。

ぴたりと密着した背中越しに、叶兎くんの心音がとくとくと伝わってきた。



そして、意識がはっきりしてくるにつれ、昨夜の記憶が奔流のように押し寄せてくる。

心臓がどくんと大きく跳ね、私はたまらずぎゅっと目を閉じた。

……顔が、燃えるように熱い。


逃げるみたいに少しだけ身じろぐと、後ろから回されていた腕の力がほんの少しだけ強くなる。



「...おはよ」

「おは…よう、叶兎くん。」



寝起きの低くかすれた声が耳のすぐ後ろから聞こえた。



「…なんで逃げるの」

「に、逃げてない……」

「……へぇ」



全く信じていない、楽しそうな声色。

背後でくすくすという笑う気配がして、腕の中に閉じ込められたまま身動きが取れなくなる。


やがて、叶兎くんは私を自分の方へと向かせようと肩に手をかけた。


振り返れば、否応なしに目が合ってしまう。

昨夜のことがフラッシュバックして……もう、まともに顔なんて見られない…っ。