総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





【side胡桃】





その言葉に、張り詰めていたものが全部ほどけた気がした。



視界を塞ぐように、叶兎くんの唇がゆっくりと落ちてくる。


最初は額に。

それから瞼に、鼻先に。


なかなか唇には重ならなくて、焦れったさに耐えかねて叶兎くんを見上げると。



「……誕生日プレゼントなんでしょ。たっぷり貰わないと」



意地悪く囁く叶兎くんの瞳は、獲物を狙う吸血鬼そのものの色をしていた。

さっきあんなことがあったはずなのに、相手が叶兎くんなら…何故だか怖くない。


しばらくして、ようやく唇が重なる。

深く、熱い。

舌が絡み合う度に水音が静かな部屋に響いていく。



「ん、……っ…ふ………」



繋いだ手がきつく握られて、息継ぎの合間に漏れる吐息すら飲み込むように、また塞がれた。



…心臓が、うるさい。

繋がれた手から伝わってしまうんじゃないかと思うくらい、ばくばくと暴れている。



怖いんじゃない。ただ、嬉しくて。

求められていることが、ここにいていいと言われていることが。



空いた手で前髪をそっと払われて、露わになった額にもう一度、柔らかく口づけられる。


耳元で囁かれる低い声に、それだけで背筋がぞくぞくと震えた。