「………ヴァンパイアハンター。それが俺の本業。」
「ヴァンパイア、ハンター……」
本部で暮らすようになってから、その存在は耳にしていた。
でも、基本的に彼らは徹底して闇に潜み、表舞台には現れない。
ハンターが公然と動いているということは、それだけ今の情勢が危険だという証。最近相次いでいる吸血鬼の暴走事件が、その裏付けだ。
「……そ。最近ちょっと仕事増えててさ。」
ヴァンパイアハンターは、人間を守るためには吸血鬼に一切の容赦をしない組織だと聞いている。
琥珀が向ける、吸血鬼に対するあの冷ややかな視線の理由がようやく腑に落ちた。
「……なに、納得した?……でも、俺は別に全ての吸血鬼が嫌いってわけじゃないよ」
「……え?」
「嫌いなのは、人間に害をなす奴、理性を失った化け物……俺が排除するのはそれだけ。……ま、全員信頼はしてないけどね」
琥珀は淡々と言葉を続ける。その声はどこか遠くに響いているようだった。
「……胡桃さ。今まで、運良く優しい吸血鬼に囲まれて過ごしてきただけでしょ。でも吸血鬼の『本能』っていうのは、みんなああなんだよ。いつ誰があの男みたいになってもおかしくない」
「それは……でも、叶兎くんたちは……」
「ねぇ、こんな吸血鬼の巣窟みたいな街に住んでたら、また同じ目に遭うよ? ……ハンターは人間を守るのが仕事。特に君みたいな『純混血』は、真っ先に俺たちが保護すべき対象なんだよ」
保護……って。まるで、吸血鬼から引き離すみたいな言い方で……。

