夜の闇に溶け込むような黒いスーツ。
その袖口から覗く手には、鈍い銀光を放つ拳銃が握られている。
「……え…………琥珀、…?」
信じられない光景に声が震える。
どうして…琥珀がここにいるの?
それに、その手に持っている物騒なものは………。
「吸血鬼には力じゃ敵わないって。俺が言ったこと、ちゃんと覚えてた?」
琥珀はいつもの軽薄な口調で、ふらりとこちらへ歩み寄ってくる。
けれど、その瞳の奥には冷徹な光が宿っていて、唇の両端だけを上げた笑みには一切の温度が感じられなかった。
「……て、め……ハンター……ッ」
撃たれた脇腹を押さえ、苦悶の表情でよろよろと立ち上がる男。
琥珀は眉ひとつ動かさず、ただ静かに、けれど正確に銃口を男の胸元へと固定した。
「うん、正解。で?どうする?」
琥珀は微動だにしない。銃口は正確に男の胸元を捉えている。
「……くそ……ッ……」
男は琥珀から放たれる圧倒的な威圧感に気圧されたのか、それとも銃弾の威力に限界が来たのか、膝を折って吐血した。

