「…各自忙しいからね。本部は相変わらず人手不足だし。」
時雨くんがため息をつくと、九条くんも頷く。
「特殊警備隊も同じ。」
「まあ、今日は休みもらってるからな」
ちなみに、蓮水さんも天音くんたちと同じく特殊警備隊の見習いとして日々奮闘しているらしい。
「…呼ばれた時はびっくりしたけど…」
朔がぽつりと言った。一年前のことを思えば当然の感想だった。
「…だろうな」
「ちょ、秋斗」
「…別に責めてない。事実だろ」
九条くんのぶっきらぼうな言葉に、朔は静かに俯いた。
「大丈夫。分かってるよ」
朔の瞳がふわりと私を見た。そこにあるのは深い謝罪と、感謝。
そして叶兎くんの方へ視線を向けて。
「…叶兎。ありがとう」
「別に、俺は朔に礼を言われるような事してないよ。…あの時の事完全に許した訳じゃないし」
空気が一瞬だけ張り詰めた。あの時──朔が暴走した時のことだ。
一歩間違えれば、私はあの時死んでいたかもしれないのだから。
「……うん。それでもいい。」
「でも、胡桃が許すなら俺がとやかく言うことじゃないし。……仕事仲間としては、認めてるから」
「……叶兎」

