「………お前ら…」
叶兎くんは呆然と立ち尽くしていた。
まさか、全員集まっているとは思っていなかったのだろう。それに、朔に蓮水さんまで。
叶兎くんの瞳が僅かに揺れた。
その横顔は、困惑しながらも、隠しきれない喜びで満たされていて。
「ほらほら、ぼーっとしてないで早くリビング行こ」
天音くんに背中をぐいぐい押されてリビングへ。
テーブルに並んだ料理とケーキを見て、さすがの叶兎くんも目を丸くした。
「まさか、本当に全員来るとは思わなかった。こんなに準備まで…」
「…何?もしかして迷惑だった?」
天音くんが意地悪く聞くと、叶兎くんはふっ、と柔らかく笑った。
「いや……嬉しい。普通に」
学園を卒業してから、それぞれ忙しくなって全員で集まる機会なんて一度もなかった。
だからこそ、この瞬間がどれだけ大切か、言葉にしなくても伝わってくる。
「いいから座れ。冷めるぞ。」
桐葉くんにそう言われ、全員が席につく。
それからは、ただただ賑やかで、幸せな時間が流れた。
料理を食べながら、近況報告をしたり、くだらない話で笑ったり。
時が経つのを忘れるほど笑って、食べて。

