総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




でも、その幸せな余韻に浸る間もなく、廊下からバタバタと騒がしい足音が近づいてくる。



「ねえ、2人ともなかなか出てこないんだけど」

「…まさか」

「先を越されたな。」



天音くんたちの声が聞こえ、叶兎くんは「あー……」と天を仰いだ。



「せっかく二人きりだったのに」



そして、ちっ、と小さく舌打ちをする。



「おーい、聞こえてるー?入っていい?」

「……待てって言いたいけど、待つタイプじゃないよねあいつ」

「ふふっ、そうだね。」



不満そうに眉を寄せる叶兎くん。

でも、その瞳はどこか温かくて。この賑やかな空気をまた味わえるのが、私はたまらなく嬉しかった。



「返事ないし、突入する?」

「しない理由がないだろう。」



がちゃり、とドアが開く寸前で、叶兎くんがのそりとベッドから起き上がった。



「......はいはい。出るから待って」



彼は寝癖だらけの髪を適当にかき上げると、私の手を引いて部屋を出た。

その瞬間──。



「「誕生日おめでとーーーー!」」



パンパンパン、とクラッカーが鳴った。紙吹雪が廊下に舞う。