でも、その幸せな余韻に浸る間もなく、廊下からバタバタと騒がしい足音が近づいてくる。
「ねえ、2人ともなかなか出てこないんだけど」
「…まさか」
「先を越されたな。」
天音くんたちの声が聞こえ、叶兎くんは「あー……」と天を仰いだ。
「せっかく二人きりだったのに」
そして、ちっ、と小さく舌打ちをする。
「おーい、聞こえてるー?入っていい?」
「……待てって言いたいけど、待つタイプじゃないよねあいつ」
「ふふっ、そうだね。」
不満そうに眉を寄せる叶兎くん。
でも、その瞳はどこか温かくて。この賑やかな空気をまた味わえるのが、私はたまらなく嬉しかった。
「返事ないし、突入する?」
「しない理由がないだろう。」
がちゃり、とドアが開く寸前で、叶兎くんがのそりとベッドから起き上がった。
「......はいはい。出るから待って」
彼は寝癖だらけの髪を適当にかき上げると、私の手を引いて部屋を出た。
その瞬間──。
「「誕生日おめでとーーーー!」」
パンパンパン、とクラッカーが鳴った。紙吹雪が廊下に舞う。

