それから、瞬く間に二週間の月日が流れた。
私は何度か桐島教授の研究室へ通わせてもらい、契約や吸血鬼に関する調べ物を進めていた。
難解な資料と格闘する日々だったけど、知るべき真実に少しずつ近づいている手応えは私の中に確かな自信を芽生えさせていたと思う。
ある朝、目を覚ますと部屋の外の廊下がなんだか騒がしいことに気づいた。
隣で眠っている叶兎くんを見ると、規則正しい寝息を立ててまだ夢の中にいる。
昨日も深夜まで執務室で山積みの書類と向き合っていたから、相当疲れが溜まっているはずだ。
起こさないようにそっとベットから降りて部屋の外に出る。
ドアを開けて廊下に出た、その時。
「あ、胡桃っちおはよー!」
「……えっ、天音くん!?」
そこには、普段この屋敷にいるはずのない天音くんが、大きな段ボール箱を抱えて立っていた。
あまりに唐突な登場に、私の頭の中は疑問符でいっぱいになる。
「お、おはよう……って、どうしてここに……?」
状況が飲み込めず呆然とする私を置いてけぼりにして、廊下の奥から時雨くんが平然とした顔で歩いてきた。
そして二人は当たり前のような顔で会話を始める。
「はいこれ、秋斗からの差し入れ。あと凪からはワインリスト。」
驚く私をよそに、その後ろからは春流くんまで姿を現した。
「天音くんに春流くんまで……え、本当にどういうこと?」
「叶兎の誕生日だからね。せっかくだし、久しぶりに全員集合しちゃおうかなって」
そう言ってにこっと笑う天音くん。

