総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「……こうされたら、怒れないじゃん」



ぎゅ、と腕が回された。顔は首元に埋められたまま。



「………無事でよかった。特殊警備隊から連絡あってから、本当に、心配で…」



腕の力がますますきつくなる。少しだけ痛いくらいに。



「…胡桃に何かあったらって」



それ以上は言葉にならなかったらしい。黙ったまま、ただ腕の中の温もりを確かめているようだった。


しばらく、二人とも何も言わなかった。やがて——



「…ごめん、さっきは強く言いすぎた。」

「ううん、私こそごめんね…心配かけて」

「…胡桃は甘すぎ。俺のこと全部許すじゃん」

「…だって、好きだもん…」



言ってから、ハッと固まった。口が滑った。



「──。」



ばっと顔が上がった赤い瞳と目が合う。



「…もう一回言って」



さっきの嫉妬も独占欲も全部吹き飛んだような、純粋に照れた顔。


そんな、子どもみたいに期待した目で見られると、恥ずかしくて死にそうになる。

でも、私が口を開く前に。