「……これ、見られたでしょ。」
「…?」
首元を指でとん、と叩かれた。
低く、静かな声で。
「何してたの。それとも、この痕について何か言われた?」
……というか!やっぱり、わざと噛み跡残してたんじゃん!
完全に確信犯だ。
「……聞いてるんだけど。胡桃」
逃がさない、という目をしていた。
私は叶兎くんとシートの間に挟まれる形になっていて、身動きが取れない。
…さっきの会話、隠すようなことじゃないけど...でも、吸血鬼の叶兎くんが聞いて気分がいいものじゃない…。
「ええ、と…」
「言えないようなこと?」
目が細くなった。声のトーンが一段下がる。
…でも、変に勘違いされたくない。
「ち、違うの!その……叶兎くんが噛み跡つけたことについて、少し話しただけで...」
「……それで。」
促すように顎を持ち上げられた。
親指と人差し指で、逃げられない角度に固定される。
「…乱暴だなって言われた、だけ…」
「…」

