総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




頬がじわりと熱くなるのを感じて、思わず視線が泳いだ。

その反応だけで十分だったらしい。琥珀は私の全てを見抜いていた。



「……ふうん。」



琥珀が小さく笑った。「嫌じゃないんだ」と、声には出さず唇だけで呟くように。



「でもさ、吸血鬼には力じゃ敵わないでしょ?もし相手が吸血衝動が抑えられなくなったら、どうするの?」



それは核心を突く問いだった。

……一応、叶兎くんとは契約のおかげで暴走はしないはず、だけど。



「相手を殺してでも止める覚悟はある?」

「……え、…?」



片方の手が、私の手首にそっと添えられた。……まるで、私を吸血鬼の世界から引き戻そうとするみたいに。

どうしてか、琥珀のことを振り払うことができなくて。


何か言わなきゃと口を開きかけたその時——医務室のドアが勢いよく開いた。



「胡桃…!」



走ってきたのか、息が僅かに上がっていた。

叶兎くんの視線は真っ先に私を捉え——それから、私の手首に添えられた琥珀の手に移った。


……。


空気が凍った、どころじゃない。絶対零度。

医務室中の酸素が消え失せたかのような、凄まじい圧迫感。


…朔と会った時もそうだけど、こういう時の叶兎くんって、ほんとに威圧感がすごい。