「──。」
琥珀の目がある一点で止まった。
──首筋に残る赤い噛み跡。
くっきりと、誰のものか一目で分かるような。
「…」
部屋の空気が、一瞬にして凍りついた気がした。
「これ、誰にやられたの?」
「え、あ……これは……」
問い詰めるような聞き方ではなく、むしろ柔らかいくらいだけど…それが逆に、琥珀が纏う圧を増している気がした。
「随分はっきり残ってるけど。」
琥珀の親指が、そっと痕のすぐ横に触れる。
「傷つけて痕残したままとか…随分乱暴なんだね。胡桃は嫌じゃないの、こういうの。」
嫌じゃない。
…それは叶兎くん限定で。
なんてこと、恥ずかしくて言えるわけがない。


