総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





「──。」



琥珀の目がある一点で止まった。


──首筋に残る赤い噛み跡。

くっきりと、誰のものか一目で分かるような。



「…」



部屋の空気が、一瞬にして凍りついた気がした。



「これ、誰にやられたの?」

「え、あ……これは……」



問い詰めるような聞き方ではなく、むしろ柔らかいくらいだけど…それが逆に、琥珀が纏う圧を増している気がした。



「随分はっきり残ってるけど。」



琥珀の親指が、そっと痕のすぐ横に触れる。



「傷つけて痕残したままとか…随分乱暴なんだね。胡桃は嫌じゃないの、こういうの。」



嫌じゃない。



…それは叶兎くん限定で。

なんてこと、恥ずかしくて言えるわけがない。