「──。」
琥珀の目がある一点で止まった。
──首筋に残る赤い噛み跡。くっきりと、誰のものか一目で分かるような。
「…」
空気の温度が、一瞬にして凍りついた気がした。
「これ、誰にやられたの?」
問い詰めるような声ではなかった。むしろ柔らかいくらいの。
けれどその目は全く笑っていなかった。
「え、あ……これは……」
「随分はっきり残ってるけど。」
琥珀の親指が、そっと痕のすぐ横に触れた。
「傷つけて、痕残したままとか…随分乱暴なんだね。彼。」
声に棘はない。ないのに、空気がぴりっと張り詰めていた。
「胡桃は嫌じゃないの、こういうの。」
嫌じゃない。…それは叶兎くん限定で。
なんてこと、恥ずかしくて言えるわけがない。

