総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





「俺、これでも医学部だからさ。そういうの見過ごせないんだ。……ね、自覚ある?」

「…それは…」



言葉に詰まった。


……自覚がないわけじゃない。

さっきも、力を使った後に体が重くなる感覚は確かにあった。


でも、叶兎くんを、みんなを守るためには、この力が必要で……。


「……あるんだ。」


ため息ともつかない短い息が琥珀から漏れた。



「あのさ胡桃。俺も教授と同じで、吸血鬼が嫌いだよ。」



唐突な告白だった。

吸血鬼に対してあまりよく思ってないのかなとは思っていたけど…。


戸惑う私に、琥珀はそっと手を伸ばした。

私の頬に触れ、そのまま流れていた髪を優しく耳にかける。



「…だから、君のことが心配」



琥珀の瞳がすぐ近くにある。

いつもの軽い空気が嘘みたいに消えていた。


「能力がすごくても、体は人間と変わらないでしょ。契約してるからって、無敵なわけじゃない。」



ふと、琥珀の視線が私の首元に落ちる。

髪を耳にかけたことで、隠していたものが露わになり──。