「俺、これでも医学部だからさ。そういうの見過ごせないんだ。……ね、自覚ある?」
「…それは…」
言葉に詰まった。
……自覚がないわけじゃない。
さっきも、力を使った後に体が重くなる感覚は確かにあった。
でも、叶兎くんを、みんなを守るためには、この力が必要で……。
「……あるんだ。」
ため息ともつかない短い息が琥珀から漏れた。
「あのさ胡桃。俺も教授と同じで、吸血鬼が嫌いだよ。」
唐突な告白だった。
吸血鬼に対してあまりよく思ってないのかなとは思っていたけど…。
戸惑う私に、琥珀はそっと手を伸ばした。
私の頬に触れ、そのまま流れていた髪を優しく耳にかける。
「…だから、君のことが心配」
琥珀の瞳がすぐ近くにある。
いつもの軽い空気が嘘みたいに消えていた。
「能力がすごくても、体は人間と変わらないでしょ。契約してるからって、無敵なわけじゃない。」
ふと、琥珀の視線が私の首元に落ちる。
髪を耳にかけたことで、隠していたものが露わになり──。

