「さっきだって助けてもらったし。……あの力、ほんとにすごいよ。」
「でも、琥珀も私のこと庇ってくれたよね。その怪我だって、私のせいで……」
「これぐらいなんてことないよー、俺頑丈だから」
……それでも、その怪我は私を庇ったせいでできたものだ。
医務室に沈黙が落ちる。
遠くで救急車のサイレンが聞こえた。さっき暴走した学生たちを搬送したものだろう。
「……ねぇ胡桃。ひとつ聞いていい?」
琥珀の声のトーンがわずかに下がった。
いつもの軽さが消え、真剣な響きを帯びる。
「うん…?」
「その力、使うたびに…自分自身も削れてるでしょ。」
まっすぐな目で、私を見つめた。
…だからその真摯な眼差しに、私は嘘をつくことができなかった。
「能力の規模に対して、体のキャパが全然追いついてない。……使い続けたら、先に壊れるのは胡桃の方だよ。」
医務室の蛍光灯がじじ、と小さな音を立てた。
琥珀はベッドから立ち上がり、私のベッド脇にしゃがみ込む。
目線を私と同じ高さに合わせて、真剣に見つめてきた。

