総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「さっきだって助けてもらったし。……あの力、ほんとにすごいよ。」

「でも、琥珀も私のこと庇ってくれたよね。その怪我だって、私のせいで……」

「これぐらいなんてことないよー、俺頑丈だから」



……それでも、その怪我は私を庇ったせいでできたものだ。


医務室に沈黙が落ちる。

遠くで救急車のサイレンが聞こえた。さっき暴走した学生たちを搬送したものだろう。



「……ねぇ胡桃。ひとつ聞いていい?」



琥珀の声のトーンがわずかに下がった。

いつもの軽さが消え、真剣な響きを帯びる。



「うん…?」

「その力、使うたびに…自分自身も削れてるでしょ。」



まっすぐな目で、私を見つめた。

…だからその真摯な眼差しに、私は嘘をつくことができなかった。



「能力の規模に対して、体のキャパが全然追いついてない。……使い続けたら、先に壊れるのは胡桃の方だよ。」



医務室の蛍光灯がじじ、と小さな音を立てた。


琥珀はベッドから立ち上がり、私のベッド脇にしゃがみ込む。

目線を私と同じ高さに合わせて、真剣に見つめてきた。