「え、あ…聞こえてたの?」
「まあ、静かだったし。すぐ迎えに行くって……ふふ、必死じゃん。」
からかうような声だけど、嫌味はなかった。
琥珀はベッドの縁に腰を下ろして、包帯の巻かれた肩をくるくる回す。
「いやー、でもさっきのはすごかったな。あれが無効化の力? 近くにいるだけでびりびり来たよ、波が引いてく感じ」
瞳が、きらきらと輝きながら私を見つめてきた。
その目は純粋な好奇心と、もう一つ……何か別の、もっと深い感情が混ざり合っているように見えた。でも、それが何なのかは分からない。
吸い込まれそうな、琥珀色の瞳。
「というか琥珀、私の能力のこと知ってたんだ」
「そりゃね。調べたし。」
さらっと言った。悪びれもせず、まるで天気の話でもするように。
「え、調べたって……?」
「仕事柄──というか、あの教授の生徒としてはそれくらい知っとかないと。」
そう言われて、私が複雑そうな、少し警戒した顔をしているのを察したのか。
「……あはは、そんな顔しないでよ。別に悪用しようとかそういうんじゃないからさ。」
琥珀は顔を近づけてきて、端正な顔立ちにヒマワリのような明るい笑顔を浮かべた。

