総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





「え、あ…聞こえてたの?」

「まあ、静かだったし。すぐ迎えに行くって……ふふ、必死じゃん。」


からかうような声だけど、嫌味はなかった。

琥珀はベッドの縁に腰を下ろして、包帯の巻かれた肩をくるくる回す。



「いやー、でもさっきのはすごかったな。あれが無効化の力? 近くにいるだけでびりびり来たよ、波が引いてく感じ」



瞳が、きらきらと輝きながら私を見つめてきた。

その目は純粋な好奇心と、もう一つ……何か別の、もっと深い感情が混ざり合っているように見えた。でも、それが何なのかは分からない。


吸い込まれそうな、琥珀色の瞳。



「というか琥珀、私の能力のこと知ってたんだ」

「そりゃね。調べたし。」



さらっと言った。悪びれもせず、まるで天気の話でもするように。



「え、調べたって……?」

「仕事柄──というか、あの教授の生徒としてはそれくらい知っとかないと。」



そう言われて、私が複雑そうな、少し警戒した顔をしているのを察したのか。



「……あはは、そんな顔しないでよ。別に悪用しようとかそういうんじゃないからさ。」



琥珀は顔を近づけてきて、端正な顔立ちにヒマワリのような明るい笑顔を浮かべた。