とある男子高校生の日常

縛るつもりはない


「ただ、
黙っていなくならないでほしい」


沈黙


時間が、止まったみたいに長い


やがて、彼女が息を吸う


「……ずるいね」


責める声じゃない


「そんな言い方されたら」


彼女は、困ったように笑った


「離れられないじゃん」


答えだと、すぐには分からなかった


「私も」


小さく、でも確かに


「好き」


その一言で、世界が静かになる


触れない


抱きしめない


でも、距離はもう戻らない


「ゆっくりでいい」


彼女が言う


「ああ」

それだけで、十分だった


感情は、弱さじゃなかった


守るために、必要なものだった


そう思えたのは——


彼女が、俺の前に立っていたからだ