ながされて、絆されて、ふりむいて



「……っ、わたし、凪のことだけがずっとすきなの、」


「今までもずっとそうだよね」


「……うん、知ってた?」


「知ってたよ。けど、自信はあんまりなかった」



もう今は、本物だけだと。

きみへの想いと、きみからの想いはきっとおなじ温度で、おなじかたちで、おなじ矢印なのだとわかるから。



「もっとはやく伝えれば良かった。けどきっと、伝えても花鈴は信じてくれなかったと思う。今だからこそ意味があると思うよ、俺は」


「……うん。だって凪がわたしを好きだなんて思いもしなかった。ごめんね、ずっと怖かったから、真剣に向き合うことから逃げてた」


「俺のほうがごめん。多分ずっと、自分で気づく前から花鈴だけが好きだよ」



ずっと思ってた。流されて、絆されて続けてほしいって。どんな関係でもいいから、となりにいてほしいと思っていた。


だけど本当は、それ以上に。

きみにふりむいてほしかった。



「だいすき」


「俺も。20年分、言い足りない」


「……わたしは24年分」


「出会う前から好きでいてくれてるんだ」


「当たり前でしょう」


「ほんと、かわいいなあ」



遠回りして、拗れて、すれ違ったけれど。

もう絶対、離さないで。




こんなしあわせな夜が、この先もずっと続きますように。




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