ながされて、絆されて、ふりむいて




柔らかくなった表情が、またすこしキリッとして目つきが鋭くなった。



「はやく、ふりむいてあげなさいよ」


「……ふりむいてもらうのは僕のほうです」


「拗れてるわねえ」


「大人の初恋って、手強いんすよ」



手強くて、うまくいかない。全くもってうまくいかないんだ。花鈴のことになると俺はどう行動したらいいかわからなくなるし、君の表情、ことば、些細な変化も拾おうとして、結局傷つけて。


けど、必要だったのはただひとつ。



──〝好き〟

ただ、この二文字だけだ。




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