ながされて、絆されて、ふりむいて




「君たちの関係を問いただしたいのはやまやまなんだけど……ひとまず児玉は救護室に運びました。涼名が付き添ってくれてる」


「ありがとうございます、って僕が言うのもおかしいですね」



自嘲気味に笑うと、三戸さんの諭すような視線と交錯した。



「付き添ってる涼名から緊急の連絡がないってことが、児玉がそこまで酷い状況じゃない証拠よ。安心してね」


「……良かった。ありがとうございます」


「けど、すぐにでも児玉のところに行きたいんでしょう」


「……はい」



小さく頷く。俺の素直な表情筋が示していたのだろう。


三戸さんがもたらす選択肢は俺の心の内そのものだ。



「行ってあげて。児玉も君がいればすぐ元気になるはずよ。……ところで、人事として一つ聞いておきたいことがあってね」


「なんでしょう」


「君たち二人にそれぞれ家賃補助を出してる以上、同棲してたらアウトでね」


「……入り浸ってるけど、同棲はしてないです。まあ、いつかはしたいですけど」



「そう」とだけ呟いてホッとしたような表情を乗せた。



「私からはそれだけよ。あとは……」