ながされて、絆されて、ふりむいて



まるく形どられたアイコンには、夢の国でカチューシャを付けてアイスを食べる花鈴が閉じ込められている。いくら見つめたって画面からは登場してくれないし、花鈴の本心を掴めるわけではない。



「お疲れ〜茅野」


「……名波さん」


「お、間があったけどやっぱ俺のこと嫌い?」



前触れもなかった自分宛ての声に立ち上がる。相変わらず軽薄でいて甘っぽい声色だ。


俺の思考なんてお見通しだと言わんばかりの余裕ある笑みが映って苛立ちが一滴、また一滴。こころに充満するマイナスを表に出さないように表情筋を引き締めることで精一杯。



「前も言いましたけど、好きですよ。すごく」


「おまえが好きなのはこだまさ」


「黙ったほうがいいっすよ」


「こわー」