「家がいい」と言ったのは、学生の普遍的なお出かけ、つまりはデートをしてしまったら、もう戻れなくなってしまうと思ったから。
あのときのわたしは凪に元気になってほしくて、だからこそわたしは奔放じゃないといけなかった。純粋なんかじゃないからすきなだけ利用して、と伝えたかった。
だから、幼なじみである以上に〝セフレ〟であることを強調したかった。何人もいるうちのひとりだって。
……だから、凪は責任感じないで、って。
「加えて、きっとすきぴがかりんたんのこと他の男に見せたくないんだ……てか今なんてネトフリもアマプラもあるんだから外出る必要ないし……そして旅行で可愛いかりんたんを独り占めしてるんだ……」
「ナチュラルにかりんたん呼びするのね?」
「いいなあ……私もかりんたんを彼女にしたい!え、でもでも、先輩とすきぴって付き合ってないんでしたっけ!?え!?この感じで!?かりんたんを前にして!?なにその男、私がぶっ飛ばしにいく!しばくぞ!」
……ぶっ飛ばす相手、あなたの推しですよとはもちろん言えない。



