「彼氏さんも、涼名ちゃんも可愛いね」
「確かに絵怜も可愛い!ていうか、お嬢先輩はどうなんですか?前言ってた〝心に決めた人〟とは!」
また一段と涼名ちゃんのわくわくメーターが上がる。三戸さんとの焼肉のとき、策士涼名ちゃんに持っていかれた情報だった。
「わ、わたしの話はいいってば!」
「え〜??今度はお嬢先輩の番です〜!だって、乙女モードの先輩なんてカワイイの権化だろうし、それこそずっとぎゅってするでしょ!」
「いや、そんなこと……」
ない、まで言いかけたけれど、ぽわんと思い浮かべた凪は確かにわたしを抱き枕みたいにして離さない。わたしから抱きついたら、絶対にやさしく受け止めてくれる。
「……」
「あ、黙った!思い出したな!」
「……ない!ぜんっぜんないよ!」
さながら名探偵。不自然な否定は肯定でしかなく、前と同じように策士な後輩に引っかかってしまった。
まるっこい瞳は愛らしさを保ったまま鋭くなって、気づけば会議室は取調室のよう。



