「近くにいてくれるひとがいるんだね」
今度は凪のほうを向いて、安堵を映した。二人ともやさしく、やさしすぎる視線をわたしたちに送ってくれた。どうしてか、わたしを心配するような、安心しているような温かさだった。
──これが、栞さんと直さんとの出会い。
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凪との関係が動いたのは半年以上経った後の高校二年の夏だった。あの夏は近年でいちばん暑くて、日焼けが天敵のわたしにはさいあくで憂鬱ばかりが積み上がっていた。
矢野先生とのことがあってから、わたしはもう当てつけだとしても誰かと付き合おうなんて思わなくなった。ふりむいてもらえなくたって、好きなひとがいるのに他のひとと付き合うなんてもう、できなかった。



