「話したかったら話して、話したくなかったら話さなくていい。でも、そんな顔してるのは心配」
「っ……うぅ、ぎゅ、して……」
「うん、ずっとするよ、花鈴が飽きるまで」
同じようにされたはずなのに、ぜんぜん違う。足の間におさまって、背中をさすってくれるから、その温かさにあまえて首に手を回して。トレーナーの青に、わたしの涙が滲んでゆく。
「話も聞くし、俺にできることならなんでもする。俺は、何があっても絶対に花鈴の味方」
息がかかるほど近い距離で、視線と視線が結びつく。そのやさしさを、ひとりじめしたい。胸に閉じ込めた願いは、叶わない。
その代わりに溢れたわたしのわがまま。自分勝手な言葉の結晶を自分本位に受け取らせる。
「あ、のね、できなかったの、」
「できなかった?」
凪の頭がかすかに傾く。脈絡がなさすぎるわたしの言葉の意味を拾い上げて、正確に理解しようとしてくれている。



