わたしは、凪の彼女じゃない。 凪は、わたしの彼氏じゃない。 きっと幾度となくされてきたであろう質問に、きみはどう答えるのだろう。 「妹みたいなもんだから。彼女じゃないです」 鼓膜を揺らした、聞き慣れた声色。ぎゅっと心臓が掴まれたように、暗っぽくて低い何かに支配されそうに澱む。 凪はわたしの恋人じゃない、幼なじみだ。家族以上に仲の良い唯一無二の存在。 だけど、だけどね。 ──わたし、凪のこと、お兄ちゃんなんて思ったこと、一度もない。 ◻︎▫︎