【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う




(……え?)



「高いのは、また気が向いたらでいい。

今日は初めてなんでしょ?」



その言葉に、警戒心が少しだけ緩む。



グラスが運ばれ、乾杯の後。



椿が口をつける前に、

弥生はさりげなく言った。



「お酒、得意じゃない?」


「……あまり。」


「じゃあ、無理しなくていい。俺が飲むよ。」


そう言って、彼は自分のグラスを傾けた。



まるで庇うように、自然に。


計算された優しさではなく、

当たり前のように。



椿は、その様子を静かに観察していた。