エレベーターを降り、 重厚な扉が開いた瞬間、 甘い香水とグラスの音が混じり合う空間が 広がった。 想像していたよりも落ち着いた照明。 ぎらついた視線が飛んでくるかと思いきや、 意外にも店内は洗練されていた。 「初めてです。」 そう告げると、 黒服の店員はにこやかに頷き、 自然な流れで席へと案内した。 「では、No.1をお呼びしますね。」 その一言に、椿の眉がわずかに動く。 (初めての客にNo.1…。 やっぱりぼったくる気?)