「……。」 弥生は、すぐには答えなかった。 視線を逸らし、グラスを持ち上げ、一口飲む。 時間を稼ぐように。 椿は、畳みかけない。 ただ、事実を並べる。 「新人のフォローに入るタイミング。 酔ったお客さんを切り上げる判断。 私にお酒を勧めないこと。 安いボトルを選んだのも、 “安心させるため”ですよね。」 弥生の喉が、わずかに動いた。