一条椿は、 グラスの中で揺れる 琥珀色の液体を見つめながら、 静かに思考を巡らせていた。 西園寺弥生という男は、 あまりにも“ちょうどいい”。 優しすぎない。 距離を詰めすぎない。 場を支配しないのに、必ず収める。 それらは偶然では片づけられない。 経験や勘という言葉でも足りない。 (……全部、選んでやってる。)