「一日だけ、預かる。」
その言葉に甘えた椿は、
黒瀬氷の部屋で“何者でもない時間”を
過ごすことになる。
触れない。
踏み込まない。
それでも確かに、守られている距離。
朝食、沈黙、昼の光、眠り、そして夕暮れ。
たった一日が、
椿の中の何かを静かに変えていく。
一方で――
椿がオーナーと
一緒に過ごしたことを知った西園寺弥生は、
初めて「計算が追いつかない感情」に直面する。
自分以外と過ごす彼女。
その事実が、
弥生の感情を少しずつ歪ませていく。
「仮面を剥いだ責任取ってくださいよ。」
さらに、九条蓮は気づいてしまう。
「一番危険なのは、氷だ」と。
守るふりをしているだけ。
預かったはずの一日が、
本当に“一日で終わるのか”。
どこまでが椿の策略なのか。
――「きっと仮面の下を知ったら嫌われてしまうから。」
預かる一日、そして静かに狂い始める夜。

